先日、『いまを生きる』という映画を観ました。
『いまを生きる』は先生と生徒との交流を描いた作品です。
単なる学園映画にとどまらず、私たちに生きることの本質を教えてくれます。
登場人物と同世代の学生はもちろん、社会人、そして親の立場から観ても、きっと何かしらの生きるヒントを得られるはずです。
映画を観た後は「いまこの瞬間を大切に生きよう」と活力が湧いたり、自分には無理だと思っていたことに挑戦する勇気が湧いたりするでしょう。
『映画・今を生きる』の映画情報とあらすじや映画を観た私の感想、登場人物の心情が読み取れる印象的なセリフをご紹介します!
80年代アメリカ映画『いまを生きる』が素晴らしい!
先日観たピーター・ウィアー監督の『いまを生きる』が素晴らしかったです。
80年代に制作されたアメリカ映画です。
キーティング先生と生徒たちの関わりから、人生で大切にしなければならないことを教わりました。
同時に、もし自分が高校時代にこの作品に出会えていたら、その後の人生は大きく変わっていたのかもと悔しい気持ちになりました。
まずは私が『いまを生きる』を見た理由と映画情報、どのような人に観てもらいたい作品なのかをご紹介します。
私が『いまを生きる』を観た理由
私が『いまを生きる』を観た理由は、生きることを題材にした映画を探していたからです。
最近のショッキングな事件や、SNSでのコメントを見ていると、世の中では生きる意味を失った人が増えていると感じます。
また私自身、閉塞感のある世の中で、今後どのように生きればいいのだろうと考えることもあります。
昨今では大人の不満が子どもに向けられている事件も多く、子育てするにも不安です。
何か生きるヒントを得られる映画はないかと、映画のタイトルを色々と見ていたときに見つけたのが『いまを生きる』です。
タイトル名からして生きることがテーマだとわかりましたので、この映画を視聴することにしました。
ただ、あらすじを読むと、プレップスクールにおける先生と生徒との関わりにスポットライトを当てたストーリーでしたので、主婦の私には関係ないのかなぁとも思いました。
しかし、学園映画といっても、意外にも自分ごととして捉えられる内容でした。
子育て中の親として、また一人の人間として、生きるヒントが得られたのは大きな収穫です。
『いまを生きる』の映画情報とあらすじ
『いまを生きる』の映画情報とあらすじを、以下にまとめました。
タイトル | いまを生きる |
原題 | DEAD PAETS SOCIETY |
監督 | ピーター・ウィアー |
制作 | 1989年 |
上映時間 | 128分 |
キャスト | 主演は故ロビン・ウィリアムズ イーサン・ホークが生徒役で出演 |
受賞歴 | アカデミー賞脚本賞 |
年齢制限 | PG12(小学生以下は保護者同伴での視聴をおすすめする作品) |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
あらすじ
50年代のアメリカの全寮制プレップスクール、ウェルトン・アカデミー校が舞台。
そこに赴任してきたのはジョン・キーティング。
キーティングはウェルトン校の優秀な卒業生である。
最初の授業では、生徒たちにカルペ・ディエム──いまを楽しむことの重要性を説く。
キーティングが行うのは、生徒たちが今まで体験したことのない型破りな授業。
厳格なプレップスクールの中で、自分を抑えて過ごしてきた生徒たちの心を惹きつけていく。
ある日生徒の1人が、図書館でキーティングの年鑑を見つける。
キーティングが結成した秘密組織、死せる詩人の会(DEAD PAETS SOCIETY)の存在を知ることに。
興味を示した生徒たちは会を再開。古い洞窟へ向かうため夜の森に入る。
そこでは仲間同士で詩を通して語り合い、やがて自分のやりたいことを見つけるように。
生徒たちは自分の道を切り開こうと行動を起こしていくが、次第に学校や親との対立が深まっていく。
『いまを生きる』はこのような人におすすめ
映画『いまを生きる』は、自分が今何をすべきか考えさせられる作品です。
- 将来に希望を感じられず、生きる意味を知りたい。
- こうなりたいという願望はあるが、なかなか自分の殻を破れない。
- 子どもの幸せを願っているが、どのような姿勢で子育てすればいいのか知りたい。
という人に観てもらいたいです。
また、年齢ごとに自分に関連がある内容だと感じとれる作品です。
青年期は自分の意思で進路を決めることの大切さを理解できるでしょう。
大人になれば、学生時代に思い描いた人生を歩んでいるのかと振り返るきっかけになります。
親の立場で観ると、世間体ばかり気にして、子どもの気持ちを無視していないかと自分自身に問いかけるのかもしれません。
私には子どもがいますので、子育て目線で映画を観ました。
親はどのように子どもと関わればいいのか、またどこまで干渉すべきなのか考えるよいきっかけになりました。
『いまを生きる』を観た感想
『いまを生きる』を観て、親の子どもに対する本物の愛情とは何かを考えさせられました。
また、先生との授業をきっかけに、自らの殻を破ろうとする生徒たちの姿が印象的でした。
途中ストーリーの展開で納得できない部分があり、気持ちが一気に沈んでしまいましたが、ラストでは先生と生徒の強い絆が感じられたのでよかったです。
『いまを生きる』を視聴した私が感じたことをご紹介します。
親の愛情とは何か?と考えさせられた
ウェルトン校の生徒たちの親は、子どもの幸せはエリートコースの道をたどることだと信じ、高い学費を払い、プレップスクールに入れています。
しかし、親の望み通りにウェルトン校で青春時代を過ごす子ども達は、全く幸せそうに見えません。
17歳という青春真っ盛りの時期なのに、人生を楽しんでいないのです。
私は映画を観て、子どもの本当の幸せを願うなら、子どもと親は、別の人間なのだという思考にならなければいけないと気が付きました。
親自身が悔いの残る人生を歩んできたのであれば、子どもに「こういうルートもあるよ」と先導したくなる気持ちはわかります。
ただ、親と子は別の人格なので、親の人生と子どもの人生を重ねてはならないと思います。
親が子の人生のレールを敷いている限り、子どもは本当の幸せや自由を手に入れられません。
子はいずれ親から離れます。
親が子供の将来をどうこうするよりも、子ども自身が自分の人生を切り開く力を身に付けることの方が大事です。
キーティング先生も映画の中で、「自分で考えることを教えるのが教育だ」と言っていますが、私も同じ考えです。
自分で考え判断することは、子どもの独立心を育む上で大切なことです。
信じる人と出会うと人は変われると確信した
キーティングが授業で伝えた「今を楽しめ」という言葉は、学校生活の中で不満を抱えていた生徒達の心に響きます。
校長が教師に求めることは、生徒を名門大学に進学できるように指導すること。
しかしキーティング先生の授業は、進学のための指導というよりも、生徒たちの独立心を育てることに重きを置いていました。
机上の知識は何の役にも立たない。
体験し、自分の頭で考えることが学びであると伝えたかったのです。
キーティング先生の授業をきっかけに、生徒たちは自分の好きなことを見つけ、挑戦します。
ある者は芝居、またある者は恋愛。
消極的で自分の殻を破れない者は、キーティング先生の指導により自分を開放します。
また、キーティングは自由に生きる意味を履き違えてしまった生徒に対し、諭すことも忘れません。
大胆な行動をしてしまったことに対して、自由はリスクを冒してまで手に入れるものではない、慎重に判断することだと伝えます。
キーティングは生徒の行いを決して非難しません。それは生徒のことを一人の人間として尊重しているからです。
父親のように言うべきことはきちんと言う。キーティングが生徒たちから信頼される理由です。
なぜ?という出来事が悔しかった
厳格な父親に反対されようとも、自分の本当にやりたいことを実現しようとしたニール。
愛する人と離れることになっても、教えることが好きだからと遠く離れたウェルトン校に赴任したキーティング。
仲間や先生への裏切りを、決して許さなかったチャーリー。
自分の考えを大切にしていた登場人物たちが、最後に自分の道を歩むことができなかったのは残念でなりませんでした。
生徒から先生への感謝の気持ちが伝わるラストシーンに感動
映画の後半には悲しい出来事があり、気落ちしてしまいました。
しかし最後の場面で少しだけ救われました。
生徒たちが信頼を寄せていたキーティング先生が、ウェルトン校を去ることになりました。
先生との悲しい別れです。
先生が寂しそうに教室を出るときに、生徒たちが次々と机の上に立ちました。
それは生徒たちが先生に感謝の気持ちを伝えるための行動でした。
机に立つ行為は、キーティングが「物事はいろいろな角度から見ることが大切だ」と生徒たちに教えるために授業で行ったことです。
校長先生が見ている中で生徒たちが机に立つという行為は、規律を重んじるウェルトン校では厳しい処分が下されます。
それは生徒たちも十分に理解していたはずです。
しかしそれでも、先生と会うのはこれで最後かもしれないと思い、意を決して机の上に立ったのです。
いかなる処分が下されようとも、自分の考えを貫き通す生徒たちの姿は感動しました。
通常の学園映画なら最後、全員が机の上に立ち先生を見送ったのかもしれません。
ですがこの映画では、全員が同じ行動をしません。
本当はみんなと同じように、机に立ちたかった生徒もいたのではないかと私は予想しています。
しかし、机の上に立った後のことを考え、保身に走ったのでしょう。
数名でも自分の教えに共感してくれた生徒がいたことは、キーティング先生も嬉しかったと思います。
『いまを生きる』登場人物の人物像を表す印象的なセリフ
『いまを生きる』の登場人物の印象に残るフレーズを、物語の核心に触れない程度にご紹介します。
「そのページを破れ!さあ全部破ってしまえ!」
新任英語教師のジョン・キーティングが、授業中に発したセリフ。
教科書の中にあるプリチャード教授(架空の人物)が提唱する「詩への理解」は、詩の良し悪しを数学的にグラフで分析するというものです。
詩は人間の生きる糧と生徒たちに教えていたキーティング。
詩は心で捉えるものだと考えていたからこそ、数値で詩の価値を判断するのはバカげていると思ったのでしょう。
ただ授業中にページを破れ!と指示する先生は、過激だなぁとも思いました。
「17歳に精神の自由だって!」
同僚のラテン語教師、マカリスター先生のセリフ。キーティングの指示を受け、生徒達が教科書のページを破る生徒たちの様子を見ていました。
キーティングに対し、教科書を破る指導は見当違いだと伝えると、キーティングは生徒たちには精神の自由を教えただけだという。
マカリスターは17歳の子どもに精神の自由を教えるのは早い、と上記のセリフを言います。
「去年とまったく同じプレゼントを送ってきたんだよ!」
転校生トッドの誕生日に、両親から贈られてきたのは文房具のセット。
去年贈られてきたプレゼントと同じだったため、トッドは全く嬉しそうではない様子。
勉学に励んでほしいという表れだったのか、あるいは単に去年プレゼントしたものを忘れてしまったのか、トッドの両親の気持ちはわかりません。
ただトッドは、親は兄ばかり愛し、自分のことは無関心だと、ルームメイトのニールに打ち明けます。
トッドの兄はウェルトン校の最優秀生徒の1人。
一方、トッドは最下位の滑り込みでウェルトン校に入学しました。
そこから弟のトッドが、家族の中でどういう立場だったのか窺い知れるでしょう。
「自分はどうなんだ?言い返せるのか親に?」
ニール・ペリーの父親は厳格で、息子が親に歯向かうことは許しませんでした。
学校生活のことを把握し、勉学の妨げになることは排除します。
ニールが上記のセリフを言う前にも、学校年鑑の仕事はやめろと課題授業のことに口出ししました。
ニールは副編集長を任されていたので、父親に反論します。
しかし、父親は「人前で親に口答えするな」と怒鳴り、さらに「私のいうことを聞け」と命令します。
ニールは「すみません」と従うしかありません。
それを聞いていた友達が「何で父親に言い返さないんだ」と言ったため、君たちだって同じじゃないかと上記のセリフが出てきたのです。
「なんであんな嫌なやつを好きになるんだよ」
ノックス・オーバーストリートは弁護士の父親の友人、ダンベリー氏の家に招かれ、クリスという美しい少女に出会います。
一目惚れでした。
しかしクリスにはすでに恋人がいました。ダンベリー氏の息子、チェットと付き合っていたのです。
チェットはリッジウェイのアメフト選手。
以前はウェルトン校に通う生徒でしたが、成績不良で退学していたのです。
ノックスがダンベリー家から寮に戻ったその日に、上記のセリフを仲間に言います。仲間からは「いい子はみんな嫌なやつとくっつくものさ」と言われます。
「利口なやつは学校に協力したほうがいい」
リチャード・キャメロンは先生の前では優等生。ですが、転校生のトッドのことを「鈍そうなやつ」と馬鹿にするなど、仲間内では「口が悪いやつ」と評判がよくありません。
ルームメイトのチャーリーからは「あいつの特技はゴマすり」と言われる始末。
物語の中でも自分の立場が不利になりそうなときに、手のひらを返していました。
世の中ではキャメロンのような嫌なやつが、きっと要領よく出世街道を進むんだろうなぁと思いました。
「これからはヌワンダと呼んでくれ」
チャーリー・ドルトンは、物語の中で「僕はいままで生きていなかった。もう何年もなにも冒険していない。自分が何者かも、何をしたいのかもわからない」と言います。
ウェルトン校に入学してから勉強に明け暮れ、自分をすっかり見失っていたチャーリー。
ヌワンダと呼んでほしいとチャーリーが言い出したのは、自分は新しく生まれ変わったのだという仲間への決意表明だったのでしょう。
『いまを生きる』が観られる動画配信サービス
『いまを生きる』が観られる動画配信サービスは、AmazonプライムビデオやYouTube、Netflixなどが挙げられます。
いずれも有料ですが、私はU-NEXTのトライアル視聴を利用し、無料で観ました。
U-NEXTは月額2,189円で、230,000本以上の映画が見放題。
しかし『いまを生きる』は私が利用したときには、残念ながら見放題の対象作品ではありませんでした。(※2022年8月時点の情報です)
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31日間無料体験は、継続の意思がなければいつでもキャンセルできますので、まだ利用したことがなければ、ぜひこの機会にチェックしてください。
映画『いまを生きる』は人生で大切にすべき考え方を教えてくれる
『いまを生きる』は教師と先生との深いつながりと、自分らしく生きることの素晴らしさと難しさを感じる映画です。
学生時代や社会人時代、子育て時代と、自分の置かれた状況によって感じ方も変わるでしょう。
人生のステージが変わるたびに観る価値のある映画といえます。
また、映画の舞台となるバーモント州の季節の移り変わりと、ストーリーの展開が重なるところもよかったです。
『いまを生きる』はノベライズも出版しています。
小学校高学年から読めますので、私も子どもに読んでもらうためにキンドル版で購入しました。
映画とあわせて読むと、よりストーリーの理解が深まります。
興味のある方はぜひ読んでみてください。