ハンドメイド作家がさらなる市場拡大、利益アップのために、作品を海外で販売したい思うことがあります。
かくいう筆者もハンドメイドの販売支援兼作家として活動していますが
海外に販路を広げるために現在、海外ECサイトのpinkoiに出品中です。
ただ、海外のお客様向けの送料設定がいまいちよくわかりません。
私と同じように、海外ECでショップを開設したばかりのハンドメイド作家さんも、販売サイトの送料設定に悩むこともあるのかもしれません。
海外発送の料金は「送り先の国」「荷物の重量」「速さ」「補償、追跡などのオプションサービスの有無」によって、料金も変わります。
海外の発送方法はどんなものがあるのか、料金はいくらなのか、ハンドメイド事業を行う私の備忘録として記事を書きました。
ハンドメイド作家が海外販売に挑戦する際のポイント
国内だけではなく海外にも販路を広げたいとお考えでしたら、ぜひ海外ECサイトにも出品してみましょう。
個人的に、海外販売を成功させるためのポイントは
- 海外向けの配送サービスや送料を理解しておくこと
- その上で、多様なお客様の要望に応えられるよう、柔軟な送料設定をしておくこと
ではないかと思います。
配送サービス内容や料金などを販売者がきちんと理解し、購入しやすいように準備しておくこともサービスの一貫だと思っています。
ぜひ参考になさってください。
海外のEC販売では送料・配送サービス内容を理解しておくこと
これから海外のECサイトにハンドメイド作品を出品したいと考えているなら、海外における配送サービスや送料をしっかりと理解しておくことが大事です。
私はECサイトでのハンドメイド販売の経験も浅いのですが、配送方法は国内だけでもたくさんサービスがあるため、理解するにも時間がかかりました。
ハンドメイド販売の初期の頃によくありがちなのが、販売者側が知識不足でお客様に迷惑をかけたり、時には、間違えた料金設定にしてしまってこちらが損をしてしまうことです。
知識はお客様の満足度を高めるとともに、自分の利益を守ることにも繋がります。
特に、海外販売は言語の壁がありますし、国が違うお客様との取引では、トラブルがあれば問題がより複雑化してしまう可能性もあります。
海外の取引だからこそ国内よりも慎重に行わなければならないと感じています。
多様なお客様のニーズに応えるために配送方法は柔軟に設定しておく

私はECサイトでのハンドメイド販売の経験も浅いため、これが正しいのかはわかりませんが
現時点では発送方法もお客様の要望に応えた方が親切ではないかと思っています
配送においてもお客様のニーズは多様ですので、発送方法もお客様の要望に応えた方が親切だという考えです。自身の販売サイトでも発送方法は複数提示し、その中でお客様が求められている配送方法を選んでいただけるように工夫しています。
お客様が配送サービスを選ぶときに重視しているのは圧倒的に「配送料金の安さ」なのかもしれません。
実際に、私もネットでお買い物をするときは、できるだけ送料が安い方がいいと考えます。送料無料の商品があれば、お得な買い物をしたなと思うこともあります。
しかしその一方で、配送サービスに質を求めることもあるでしょう。「配送の速さ」であるかもしれませんし、もしかしたら確実に届くという「安心」を求めているお客様もいるのかもしれません。
例えば、そのハンドメイド商品が大切な方への贈り物など、お客様にとって特別なものであるなら、
- 記念日に間に合わせたいので価格は高くてもいいから早く到着してほしい
- 万が一の発送事故が起きたときに金額が補償されていると助かる
などのお客様の要望もあることでしょう。
また、海外での取引では発送する側も不安ですがそれ以上に購入するお客様も不安ですから、
ただ漠然と自宅に到着するのをまつのは不安なので、発送状況がわかる方がありがたい
ということもあるはずです。
そのため皆が皆、価格の安さを重視しているわけでもない、ということを前提に、配送方法も柔軟に対応していきたいです。
海外向けハンドメイド販売のおすすめの発送方法
海外のECサイトではどのような配送サービスを使えばいいの?とお悩みのハンドメイド作家さんもいるのかもしれません。
筆者の場合ですが・・・
今後、状況により変わるかもしれませんが、現段階では、日本郵便のサービスを案内しています。
まずは日本郵便では海外向けの発送について、どのようなサービスを取り扱っているのかを大まかにご説明し
そのうえで海外向けのハンドメイド販売でおすすめの発送方法をご紹介いたします。
海外発送の配送業者は日本郵便が安心
私が今後、海外販売で主に利用しようと考えている配送業者は、日本郵便です。
やはり、昔から馴染みのある日本郵便は、安心感があります。
私の場合、家の向かいに郵便局があるため、利用しやすいという理由もあります。
職員の方々も、分からないことがあれば親切に教えてくださいます。
日本郵便他にも海外発送の主な選択肢として、DHL、FedExなどがあるようですが、なじみのない配送業者なので今のところは使わない予定です。
海外向け日本郵便のサービスについて
海外発送には具体的にどのようなサービスがあるのか?という方もいるのかもしれません。
海外発送では主に
- 航空便
- エコノミーSAL便
- 船便
の3つに分類されます。
小型包装物の発送では航空便、エコノミーSAL便、船便があり、それぞれの輸送手段が違うため、到着日数も異なります。
それぞれの輸送手段と到着日数、価格を比較してみましょう。
輸送手段 | 速さ・到着日数 | 重量 | 特徴 | オプション | |
EMS(国際スピード郵便) | 航空便 | 最速 3~18日程度 | 30kgまで | ・書類と荷物を一緒に送れる ・補償・追跡機能あり ・サービス内容が充実している分、料金も割高 | |
航空便(通常) | 航空便 | 5~18日程度 | 30kgまで | 補償や追跡機能はないがオプションで書留や保険をつけられる | ■書留プラス460円追跡機能の他に、6000円を限度額とした補償がつけられる(2025年12月31日で終了) ■保険 最高200万円まで補償。。保険金額2万までプラス400円、保険金額を2万円を超える、またはその端数ごとにプラス50円加算される |
国際eパケットライト | 航空便 | 5~21日程度 | 2kgまで | 補償なし、追跡あり | 小形荷物対応のサービス。通常料金よりもお得です。 |
エコノミーSAL便 | 航空機の空きスペースを利用して配送 | 2~3週間程度 | 30kgまで | 補償なし、追跡あり 2025年10月現在は取引を停止していますので利用はできません。 | ■書留プラス460円追跡機能の他に、6000円を限度額とした補償がつけられる(2025年12月31日で終了) ■保険 最高200万円まで補償。。保険金額2万までプラス400円、保険金額を2万円を超える、またはその端数ごとにプラス50円加算される |
船便 | 船便 | 2~4ヶ月程度 | 補償なし、追跡あり 国際郵便の中ではもっとも安価 | ■書留プラス460円追跡機能の他に、6000円を限度額とした補償がつけられる(2025年12月31日で終了) ■保険 最高200万円まで補償。。保険金額2万までプラス400円、保険金額を2万円を超える、またはその端数ごとにプラス50円加算される |
商品が到着するのが長いと買い手側も売り手側も不安になると思うので、やはり上記の発送方法の中では航空便が現実的かなと思っており、私はエコノミーSAL便、船便は除外しています。
個人のハンドメイド品の多くは小形郵便物に該当する
個人でハンドメイド業を営む方は、アクセサリーや衣服、雑貨などを販売しているケースが圧倒的に多いのではないでしょうか。
そのようなハンドメイド作品の多くは、小形包装物に該当する可能性が高いです。
小型包装物とは言葉の通り、小さい荷物のことです。
国際郵便では小型の郵便物を対象としたサービスもあり、大型よりも割安で提供されていますので、海外への配送料金を抑えたい方はぜひご注目ください。
そもそも小形郵便物とはどういった荷物が該当するの?と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。それを判断するには、ご自身が送る予定の荷物の重量とサイズを確認します。
重さは2kg以下
まずは重さです。
ご自身が出品する商品がどれぐらいの重さなのかを把握します。
国際郵便は30kgまで対応していますが
2kg以下であれば小型郵便物の対象になります

荷物の3辺の合計が90センチ以内
荷物の3辺の合計が90センチ以内であれば小型荷装物に該当します。
最長辺は60センチまでと決まっており、それを超えたものは小型郵便物に該当しませんのでご注意ください。


私自身が販売しているハンドメイド作品もほぼ2kg以下、サイズも単品であれば80サイズの箱に収まるので、小型包装物に該当します。
小型郵便物でおすすめの発送方法は国際eパケットライトですが、
もし、お客様が配達のスピードを求めるのであればEMSを使うと良いでしょう。
国際eパケットライトとEMSについては、次章で詳しくご説明いたします。
小型包装物扱い(2kg以下)のハンドメイド商品の発送で検討したいサービス
小形荷装物扱いのハンドメイド商品の海外発送で検討したいのが
- 国際eパケットライト
- EMS
です。
筆者は、主に国際eパケットライトを使っていき、お客様からの要望があればEMSを使うというように使い分けていこうと思っています。
それぞれのサービスの特徴をご説明いたします。
料金や速さともにバランスの良い国際eパケットライトがおすすめ
私が扱うハンドメイド作品は、重量が軽い物が多いため、2kg以内の小型包装物として扱われますので
個人的には、海外販売では国際eパケットライトを中心に使っていこうと思います。
その理由は、EMSや通常の国際小包より料金が高くなく、早さもあるのでお客さまを長くお待たせすることがないためです。また、追跡機能もついているのでお互いに荷物の状況がわかる安心さも加わります。
国際eパケットライトの特徴は以下のとおりです。
- 航空便扱いの小型荷装物(2KGまでの小形物品)が対象
- 配達状況の追跡サービスあり。差し出しからお届けまでの配送状況を確認できる※送り先の国の状況によっては追跡サービスが提供できない場合もある
- 損害補償はない
- 割引もない
- 配達日数は5~21日程度(送り先によって異なる)
- お届け先郵便受箱に配達するので受取人が不在でも配達ができる※課税された郵便物などを除く。配達の記録、受取の受領印はない
- 郵便受け箱に入らない荷物に関しては手渡しでお届けする
航空便なので、海外向けの発送方法の中でも5~21日程度と比較的早いです。
また、追跡機能もついているので購入者、販売者ともに荷物の配達状況が確認できるので安心です。
ただし、損害補償はついていませんので、万が一、配送中に破損するなどの配送事故があった場合の補償は一切ありません。私が販売しているハンドメイド品は、高額なものは販売していないため、万が一、紛失や破損などがあっても、大きな損害はないので追跡機能つきのみで充分ではないかと考えています。
国際eパケットライトの料金
国際eパケットの料金は、100g単位で金額が異なります。詳しくは公式サイトをご確認ください。
下記の表では、当店が扱う商品でよくある重さの料金を例にあげています。
| 中国・韓国・台湾 | 中国・韓国・台湾を除くアジア (マカオ・香港が含まれる) | オセアニア・カナダ・メキシコ・中近東・ヨーロッパ | 米国(グアム等海外領土を含む)※関税の影響で日本郵政では 現在は引き受けはしていません | 中南米(メキシコを除く)・アフリカ |
100gまで | 720円 | 750円 | 880円 | 1,200円 | 920円 |
200gまで | 820円 | 870円 | 1,060円 | 1,410円 | 1,180円 |
300gまで | 920円 | 990円 | 1,240円 | 1,620円 | 1,440円 |
400gまで | 1,020円 | 1,110円 | 1,420円 | 1,830円 | 1,700円 |
500gまで | 1,120円 | 1,230円 | 1,600円 | 2,040円 | 1,960円 |
600gまで | 1,220円 | 1,350円 | 1,780円 | 2,250円 | 2,220円 |
700gまで | 1,320円 | 1,470円 | 1,960円 | 2,460円 | 2,480円 |
800gまで | 1,420円 | 1,590円 | 2,140円 | 2,670円 | 2,740円 |
900gまで | 1,520円 | 1,710円 | 2,320円 | 2,880円 | 3,000円 |
1,000gまで | 1,620円 | 1,830円 | 2,500円 | 3,090円 | 3,260円 |
~ | |||||
2,000gまで | 2,620円 | 3,030円 | 4,300円 | 5,190円 | 5,860円 |
例えば、当店の商品の4500円のかごは、梱包資材の重さと合わせるとおおよそ1kgです。
その商品が、中国・韓国・台湾のユーザーに売れた場合の送料は1,620円になるので、送料込みの商品金額は計6,420円。マカオ、香港など、中国韓国台湾を除くアジア地帯の場合は、計6,630円になります。
早く届けて欲しいという要望があればEMSも選択肢にいれる
主に「国際eパケット」を使う予定ですが、早く確実に荷物を届けて欲しいという要望があるかもしれないので「EMS」にも対応したいと思います。
EMSの特徴は以下のとおりです。
✔世界120以上の国や地域に30kgまでの書類や荷物を安心、簡単、便利に遅れる国際郵便で最速のサービス
✔3~18日程度で到着するので急ぎのときは最速
✔書類といっしょに送れる
✔EMSは追跡付きで安心
✔損害賠償がついている
✔クールEMSなどもある
配達状況を確認できる、万が一の補償がついている、最速で発送できるなど、国際郵便の中でもっとも高品質な配送サービスを受けられるのがEMSです。
お客様にとって大きなメリットのひとつといえるのが、配達の速さです。EMSは3~18日程度で到着し、国際郵便の中では最速です。お客様が急ぎで送ってほしいという要望のあるお客様は、EMSで対応していきたいです。
EMSの料金
| 中国・韓国・台湾 | 中国・韓国・台湾を除くアジア(マカオ・香港が含まれる) | オセアニア・カナダ・メキシコ・中近東・ヨーロッパ | 米国(グアム等海外領土を含む)※現在は引き受けていません(※代替のUGXの金額) | 中南米(メキシコを除く)・アフリカ |
500gまで | 1,450円 | 1,900円 | 3,150円 | 3,900円(※6,900円) | 3,600円 |
600gまで | 1,600円 | 2,150円 | 3,400円 | 4,180円 | 3,900円 |
700gまで | 1,750円 | 2,400円 | 3,650円 | 4,460円 | 4,200円 |
800gまで | 1,900円 | 2,650円 | 3,900円 | 4,740円 | 4,500円 |
900gまで | 2,050円 | 2,900円 | 4,150円 | 5,020円 | 4,800円 |
1,000gまで | 2,200円 | 3,150円 | 4,400円 | 5,300円(※1kg以下8,050円) | 5,100円 |
~ | |||||
2kgまで | 3,400円 | 4,550円 | 6,700円 | 7,900円(※1.5Kg~2kg以内10,350円) | 8,100円 |
先程の当店の商品の4,500円のかごを中国・韓国・台湾のユーザーに売った場合、国際eパケットライトの場合の送料は1.620円、合計金額は6,120円でしたが、EMSだと4,500円に配送料金2,220円がプラスされるので6,720円です。その差額は600円なので、急ぎのお客様には、EMSで対応すると良いですね。
アジア以外の第三地帯(オセアニア・北米(米国を除く)・中近東・ヨーロッパの国・地域)、および第4地帯(米国 グアムやプエルトリコなどの海外領土を含む)については特別追加料金を含むので、料金はぐんと高くなります。
アメリカの発送についての注意点
日本郵便では現在、条件つきでアメリカ宛ての郵便物の引き受けを一時的に停止しているようです。
以下、日本郵便のサイトの引用文です。
米国関税及び規制変更に伴う米国宛て郵便物の一時引受停止について
2025年8月25日
米国政府は、2025年7月30日、「すべての国に対する免税措置(デミニミス)待遇の停止」と題する米国宛て郵便物に対する大統領令を発表しました。
本大統領令では、消費目的のために輸入される物品を内容とする郵便物(課税対象郵便物)は、本年8月29日以降、免税措置を停止し、関税が課されることとなりました。(以下略)
このため、8月27日(水)から、次の内容品を包有する米国宛て郵便物(小形包装物、小包およびEMS(物品))については、他の各国郵便事業体と同様、お引き受けを一時停止いたします。
・個人間の贈答品で内容品価格が100USドルを超えるもの
・消費を目的とする販売品
なお、書状、はがき、印刷物、EMS(書類)のほか、個人間の贈答品で内容品価格が100USドル以下のものを包有する郵便物(小形包装物、小包およびEMS(物品))については、引き受けを継続いたします。
上記引受停止の代替手段として、当社の国際宅配便であるUGX(ゆうグローバルエクスプレス)は、米国税関の規制に対応したお取り扱いができます。
引用元:日本郵便 米国関税及び規制変更に伴う米国当ての郵便物の一時引受停止について
UGX(ゆうグローバルエクスプレス)
なんのことやら?という文章ですが、
アメリカでは今まで、海外から輸入されていた貨物に関してかかる税金を今までは国家が負担していましたが、それをしなくなったという話です。
日本郵政ではそれを誰が負担するのか?関税を運送事業者が負担すべきなのか不明確であることから荷物の引き受けをしないということなのですね。
100USドル以下の贈答品を除いた消費を目的とする販売品なので、ハンドメイド品も該当します。
越境ECでは国ごとに関税が発生しますが、その関税は購入したお客様が払うことになれば、当然購入は控えるでしょうし、
物を売りやすくするために販売元が負担することになればその分の利益も下がることでしょう。
米国あての代替え手段としてUGX(ゆうグローバルエクスプレス)というサービスを案内していますが、料金表をみると北米が1kgの荷物の配送料金が8,050円と商品代金を上回ります。
法人ならともかく、個人がアメリカとの取引を行うメリットはないので、しばらくはアメリカへの販売は除外しようと思います。
専用のオンラインツールで発送ラベルを作成する必要がある
国際配達サービスを利用する際は、国際郵便マイページサービスのオンラインシッピングツールで、発送ラベルを作成し、印刷して利用ができます。
ハンドメイド品海外のお客様に作品を届けよう
海外向けハンドメイド販売の要点をまとめました。
- 海外向け配送サービスは、日本郵便が使いやすい。低コストで海外発送が可能。
- 2kg以下の商品であれば、追跡付きの国際eパケットライトがおすすめ
- 速く送って欲しいという要望があるかもしれないので、配送方法の選択肢にEMSも含めておく
お客様の要望に合わせた配送方法を設定しておくことも、サービスの一貫なので、
海外ECを利用する際には、配送サービスや料金を把握しておきましょう。
もちろん、すぐに完璧に把握できるということはありませんので、やりながら、少しずつ覚えていくのが良いでしょう。
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